寄り道

母の病院の付き添いに鴨川に行くことになった
今日は風は冷たいけど、いい天気。


『何時に終わるかな』


まるでホテルのような設備の整った病院。
土曜のせいか患者さんは若い人も多い。
それにしても人が多い。
『これみんな病人?』

日本人は病院好きなのかもしれない・・・


思ったより早く終わり、私と来たことをいいことに
「なんか美味しいもの食べたい」
とニコニコしていう。
『この人糖尿病患者だよなぁ・・・』

いつも思う。好きなことをして好きなものを食べて、
以外に長生きする人。
食事も気をつけて、健康管理して・・・も病気になっちゃう人。
人生はうまくいかない
(この人みたく病気なのに好き勝手して、クスリ飲みながら長生きするのも
どうなんだ?)


「たまにだから いっか」

15分ほど車を走らせて、急な山道を登ってゆく。
「どこに連れてかれちゃうのかしら?」
子供のようにはしゃぐ母を見るのは久しぶりだ。
「もう少しだよ」

山を登りきったところで、目前には真っ青な海が広がった
『あぁ 何も変わってない・・・』


「若い人は喜んだんでしょうねー 素敵だわー」 
自分が思ってる以上に喜ぶ母親の姿に少し戸惑いながら
重い扉を開けた