ベーカリーアミー

私の住む小さな町にも、いまやたくさんのパン屋がある。
私の小さい頃は焼きたてパンのお店なんか、駅前にしかなかったから
家の近くに出来たとき、とってもうれしくて『喜びの舞』をしていた。
その名も『ベーカリーアミー』
そのお店は当時じゃ毎日たくさんのお客さんが入っていたのに、今じゃすっかり
寂れた感じが否めない・・・。
だいたいもう置いてあるパンが10種類位と、じみーな感じだ。
私自体10数年行っていなかった。(もっとかな?)

で、最近散歩の途中、気まぐれに入ってみた。


店内にはお客はもとより、お店の人すら見当たらない。
奥のほうからおばちゃんが小走りにやってきた。


「いらっしゃいませ」


愛想がいいわけでも悪いわけでもなく微妙な空気だけが
流れる。


アンパン・メロンパン・チョココロネといったどれも目新しさもなく
フツーのパンが並ぶ。イマイチこれってモノが無く、かといって
「お邪魔しましたー」と何も買わずに帰れるような雰囲気でもなく


『んんんーーー。。。』
と悩んだ挙句に「玄米パン」と緑色をした「甘食」を買うことにした。
 

「ありがとうございました」


と、冷静なおばちゃんの対応に少しおののきながら(私ならあんな状況
なら異常なまで愛想を振りまくに違いない。お客様様だもん)家に向かう。
小腹もすいていたし、早速紅茶を入れて甘食を食べることにした。
どうやら緑色は抹茶のようだ。かすかな香りがする。


「ん?」
思ったより美味しい。というより美味い。
シンプルなだけに甘すぎたり、粉っぽかったりする甘食だけど
バランスも良くイケている。
次の日の朝食は玄米パンを軽くトーストして出してみた。
旦那さんが「美味しいね、どこのパン?」


ふーーーん・・・。やっぱり美味しいんだ。


侮れないぞ、アミー。
やっぱり長い歴史には訳がある?(そんなに長くないか)
流行のパン屋には無い、奥深さが感じられた今日この頃。
(大袈裟。。。)